個人情報保護法入門 5
(2)生存者の情報か?
次に、「生存者の情報」か?という問いになります。本法は、個人情報を生存者情報に限定することにしたということです。実務上の取り扱いでは、あまり重きをおく要件ではないかもしれません。「生存者の情報」に限定するというのは、企業にとっては、「徳川慶喜の情報が漏洩したけども?」といったような難くせを回避できるというメリットがある程度でしょうか・・・。実質上は葬儀屋さんの情報システムに掲載されている個人の名前も、喪主との関係で個人情報になるわけですし、実務において生存しているか否かを厳密にわけるべき必要性に直面することは少なく生死の別なく個人情報として取り扱うことが多いように思います。ただ、本法においては、本人関与は生存者のみがなし得るということを言いたいだけなのだろうと思います。
(3)特定個人の識別性があるか?
個人情報の実質的な定義は、今ハンドリングしている情報で、特定個人を識別できること。これがもっとも重要です。
さらに重要なのは、「特定個人の識別」という概念です。例えば、ある営業所で、お昼の12時から1時まで全員が席を離れ昼食に行ってしまって、事務所が空っぽになった。その時、カウンターの裏においていた手提げ金庫が無くなったということを想定しましょう。こうした場合は、まず防犯カメラの影像情報でトレースすると思います。カウンター付近を12時から1時までに通過した人を確認したところ、縦縞のシャツを着た髭面の男が何往復もしている、どうもこの男が怪しいと目星をつけて防犯カメラの影像からこの男を追っていくわけです。もうすでに明かですね。要するに、縞模様の髭面の男ということで、他の人間と区別して認識しています。この段階で特定個人を識別していると法的に評価することになります。
ここで注意しなければならないのは、氏名不詳であっても個人情報になるということです。個人情報は、氏名+αだと説明する本もありますが、それは一つの典型例を言ったに過ぎなくて、それにつきるわけではないということに留意する必要があります。
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