個人情報保護法入門 11
(6)開示等の求め
この法律によって、「開示等の求め」の対応業務が新しい業務として発生します。たとえばお客様に不愉快な思いをさせてしまったことによって、「私の個人情報を全部見せて欲しい」という要求をいただくことがあるだろうと思います。
これが権利なのかどうかということについては、いろいろ議論のあるところですが、個人情報取扱事業者の法的義務であることは紛れもない事実ですので、その対応が必要です。あらかじめ手続を定めておかないと、ケースバイケースの対応になりまして、非常に煩雑な、高コストな対応を強いられることになります。
まず、全部開示せよという要求に対しては、事業者側がお客様に対して、その情報を特定してくださいと言えることになっています。ところが、そういわれてもデータベースの内容をわからないお客様は困ってしまいますから、特定に資する情報を示せと事業者に言えることになっています。その特定に資する情報というのは、ひとつに開示する保有個人データのいわばメニュー化です。現実問題としては、データベースに格納されているいくつかの情報をプリントアウトして出すほかないわけですから、その情報の類型をあらかじめメニュー化して、どれを開示対象としたいのですかと、最初から出しておくべきだろうと考えます。こういう業務を先行して初めて定型処理が可能になるわけです。
また、開示等の申し出先も明確に定めておく必要があります。特に、大企業は子会社や支店がいっぱいあるわけで、場合によっては営業マンに託されてしまうかもしれません。
開示の求めを口頭で言われてしまいますと、日常的なコールセンター業務における事実上の回答なのか、法的な義務としての回答なのか、混乱してきます。あらかじめ開示申請書を用意して、この申請書によらなければ法的義務とは認識しないと明らかにしておく必要もあります。
また、本人以外の者に対して、すなわちなりすましに対して、回答してしまいますと、漏洩になってしまいますので、運転免許証とかパスポートのコピーを添付してもらうなど本人確認のルールも決めておく必要があります。代理人による開示の求めもあります。その確認の手続も必要です。
それから、法30条には、手数料を徴収してよいと書いてあります。これは、コストを負担してもらうというよりも、企業においては毎日請求のような濫請求を阻止したいということで、検討するのだろうと思います。
また、開示の求めの申請書類などの受領は個人情報の直接書面取得に該当しますので、これ自体に利用目的の明示義務がありますので忘れないようにしなければなりません。
(7)苦情処理
次に、苦情処理体制を整備し、それを公表しておかなくてはなりませんし、所属する認定個人情報団体ができれば、その連絡先も示さなければならないということになります。
この点も詳細については別途お話ししたいと思います。








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